前回に続いて、またまた谷口ジロー氏の作品。『「坊ちゃん」の時代』と一緒に買った作品だ。
タイトル通り、このマンガはあの『シートン動物記』の「シートン」の話。全4巻で、1巻ごとに話が終わる構成の作品。つまり全4話あるわけ。
タッシーが動物好きなのもあるけど、個人的には『「坊ちゃん」の時代』よりもこの『シートン・・・旅するナチュラリスト・・・』の方が面白かった。
特におすすめなのが、1巻の「狼王ロボ」の話。ロボというのは、ある狼の名前で、辺り一帯を荒し回っている狼。人間が住むエリアで来て、家畜を襲ったりして大きな被害をもたらしていたの。人間もこのロボを捕獲、退治しようとしたんだけど、とにかく頭がよく、用心深い。だから、人間がしかけた罠にもひっかからない。
おかげで、日増しに被害を増え、あるときシートンに「あなたの知識でロボを退治してくれ」と依頼が入ったわけ。しかし、さすがのシートンも簡単にロボを捕らえることができなかった。試行錯誤するシートン。シートンVSロポ、勝つのはどっちだ? みたいな展開で話は進む。
話としては、他にもありそうな感じだけど、話の構成や画がすばらしく、ついつい引きこまれる。また、自分の気持ちも単純にシートン側に立つだけでなく、ロボ側に立って感情移入してしまうシーンもあり、なんとも言えない気持ちになる。
「シートンに早くつかまえてほしいけど、でも、やっぱりまだロボは捕まってほしくない」みたいな。
すごいハラハラドキドキするわけではないけど、いろいろな感情が沸き起こりながら読めるので、とてもよかった。動物好きなら、一度読んでほしい作品。